魔使いの〜シリーズの第2弾。
「決して暗くなってから読まないこと」

主人公のトムは魔使いの見習い。「魔使い」は魔法使いではありません。呪文を手をかざして唱えたりするわけではありません。常識と先代から蓄積された経験を元に悪霊を排除する職業。
前作を読んでいなくとも、導入部がしっかりしているというのと登場人物が少ないので問題なく読めると思います。もちろん、これを読んだが最後、書店に足を運び、魔使いの弟子も手にとってレジに一直線でしょうけど。
魔使いの弟子の続編となる魔使いの呪いだが、前作では謎多き人物であったトムの師匠である魔使いの過去が明らかとなる。彼の葛藤が後々の伏線になっているので多くは言えないが。
巨大な敵であるベインに立ち向かうトム。悪しき心に囚われてしまったか!?魔女になりかけアリス。魔使い以上に謎が深かったトムの母親の一部がわかる。
子供だけにはもったいない大人だからこそわかるであろう微妙な感情の揺れ動き。また1段、成長したトムを見て勇気をもらいましょう。
次回作でまだ残っている伏線の回収を期待したい。

舞台は1872年の英国、16歳の少女であるサリー・ロックハートの物語。
不運にも事故で父を無くし、遠縁の親戚に引き取られていくところからはじまる。
本書は、ご親切に導入として当時の背景の説明もしてくれている。
世界史に疎い人も抵抗なく、読めるのではないかと思う。
その一方で、小学生が読むには少し辛いように見受けられる。
主人公のサリーは魔法が使えるわけでもないし、
派手なアクションをするわけでもないが話に引き込まれる。
運や才能に任せた強引に解決するのではないところにある。
もちろん、彼女が能無しといっているわけではない。
彼女は、そんじょそこらの男以上の実務の能力を兼ね備えている。
そして、主人公の意思の力が見て取れるところにあるのだろう。
本書を子供にとらせたとき、どう感じるだろう。
勧善懲悪物語として、サラっと読みすすめてしまうのはもったいない。
勇気のなんたるかを感じ取り、心の奥底にしまっておける。
本書はその役割を十二分に発揮できる良書である。
ワーナー映画化決定している本の翻訳本だそうです。

まず、魔使いと魔法使いの違いを少し説明しなければならない。
魔使いは魔法使いのようにバカげた呪文を唱えたりは一切しない。
魔使いが使う道具は、常識と、勇気と、正確な記録なのだ。
主人公のトムは7番目息子の7番目の息子、それが普通の人には見えない”何か”が見える。
魔使いの最後の弟子となったトムは、魔使いからは特殊な技能、技術は与えられない。
自分の頭で考えて、冷静に行動させることを強く教えられる。
何て、ストイックなんだと思われるかもしれないが、そこらのファンタジー本との違いは
ここにあるのかもしれない。
なんせ、魔法みたいな一方的で強制力があったりする強力なものはないし、
第一巻である本書では、魔使いの弟子であるトムが特別秀でた力を発揮することはなかった。
与えられた少ない知識の中から困難に立ち向かい、
それを打ち破る一連の思考や行動こそ、この本の醍醐味だと私は思っている。
この魔使いという仕事は、忌み嫌われるが誰かがやらねばならない仕事、
不条理なこともトムに襲い掛かる。
彼が肉体的でなく、精神的に成長し大人になろうとしていく姿こそ
この本の伝えたいことなのかと解釈。
小学生中学年以上の漢字にはルビがふられていて、子供も読めるし
絵が結構な数、ちりばめられているのはなかなか楽しい。
映画化ももちろんそうだが、続刊である「魔使いの呪い」「魔使いの秘密」も楽しみである。