人類史上最古の文明人は、なにを考えて生きていたのか?

古代メソポタミア、人類最古の文明といわれた
シュメル人(シュメール人)にスポットライトを当てた作品である。
古代に人はやはり惹かれるのであろう。
私自身、シュメルなんて言葉を一度も耳にしたことがないのだが
タイトルにある五〇〇〇年前の日常、そう、この日常というキーワードで
古代の人たちの生活習慣を語ったお気楽本だろうと勝手に想像をしていたのだが
良い意味でこれは裏切られた。
もちろん、シュメル人の日常である衣食住、または当時の医学的なことまで
こと細かく書かれている。
それと平行して、当時のシュメル人の歴史的経緯、
戦争や神々のことが埋め込まれているため
「ああ、そういうことか」と1つ1つ納得しながらテンポよく読み進められるため
読後感がとても爽快である。
ここで、帯に書いてある殺し文句、教育パパの部分を引用しておこう。
「お前はどこへいっていたんだ」「僕はどこへもいっていません」
「お前がどこへもいっていないんだったら、お前はどうしてうろついているんだ。学校へいけ。先生の前に立って、お前の割り当てを暗唱しろ。お前のかばんを開け、粘土板を書け、助手にお前のための新しい粘土板を書いてもらえ。お前が割り当てを終えて、監督官に報告をしたら、私のところへ帰って来い。通りをうろつくな。お前は私がいったことをわかったか」
「わかりました。お父さんのおっしゃったことを僕は復唱しましょう」
「では、繰り返してみろ」
そのあとも小言が延々と続くそうだ。
当時は、生活に安定のある役人になるためには字の読み書きができなければならなかった。
母親の識字率が非常に低かったため、シュメルでは教育を父親に任せていたようだ。
5000年経ち、社会情勢がまったく違っていても親というのは心配性で
お節介を焼かなければ気がすまない習性にあるようだ。子も子で同様ではあるが。
いつまで経っても変わらないそんな人間くささがたまらなく面白い。
本書はシュメルの導入編としては最適なのだろう。
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