2007年02月14日

書評 「オール1の落ちこぼれ、教師になる」 - 遅咲きの先生

この本を開けてすぐに私の目に入ったのは、音楽と技術以外のすべての教科の成績が「1」の中学時代の通知表だった。


オール1の落ちこぼれ、教師になる

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書評/教育・学習

衝撃的な通知表から、「何故、自分が落ちこぼれになったのか」
落ちこぼれ先生の生い立ちが次々と語られていく。

小学校低学年からの彼に向けられて行われ続けたイジメは心身を蝕み、一時は自殺も考え
学校そのものが嫌いになり、学ぶことに適した環境とは程遠いものとなった。
中学3年生にして、彼は自分の名前の漢字しかかけず、英語の単語はbookしか知らず、九九は2の段までしか言えなかった。

アインシュタインのビデオから物理の魅力に取り付かれた彼だが、基礎学力の欠如が著しく
小学校3年生の算数ドリルからはじめ、定時制高校に入学する。
物理を学ぶために高校の恩師の支えと猛勉強の末に超難関である国立の名古屋大学に現役で合格する。


この本には、小学校高学年以上で習う漢字にはルビがふられていて
回りくどい複雑な言い回しや単語もなく、文字も見やすく構成されているのが非常に好感を持てる。
ざっと読むだけなら早い人ならば1時間弱、遅くとも3時間もあれば読み切れてしまうものだろう。

落ちこぼれから物理の研究者として生きる道からはずれ
教師となったのはまさに異色中の異色といえるが
内容自体に説教くささや押し付けがましさがないので、すんなりと受け入れることができるため
不幸な体験を語っている場面も多々あるにもかかわらず、後味が良い作品である。

イジメを受けた実体験から来る考察は実に的確で、現状の教育におけるイジメの対処についても
強く言及している。
耳障りの良い人道主義的な発言でイジメを解決した気になっている学校側は
平和主義を謳いながら、ミサイルや武器を売りさばいている欧州のある国のようではないか。

落ちこぼれに同情するのではなく、シビアに高校教師として線引きができ、
やって出来ない生徒は助けるが、やらなくて出来ない生徒には厳しく。
やる気のない生徒にやる気を出させる方法はそうなく、落ちこぼれは現れてしまうと語っています。
中途半端な理想主義の教育者より現実主義であり、生徒に向き合う姿勢が必要である。

人生に少し行き詰ったり、悩みを感じたときにふと手にとって読みたくなる作品としてはイチオシと言えるだろう。


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at 23:10 | Category : 学習 , 書評 | Comments [7] | TB [0]

2007年02月09日

「ハーヴァード・ロー・スクール」 - 法律屋の新人研修

著者は大学で英文学の講師をしていたのだが、それを捨て
法のエリートを育成する歴史があり米国最高峰の1つと言われているハーバードロースクール(以下、HLS)に
法の知識もないところから入学することから話ははじまる。

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この作品は1980年以前に執筆されたもので、少し背景を説明するならば
米国では出生率上昇に伴い、ロースクールが非常に高い人気となり
名門校は入るのが非常に難しくなった。
日本でいうなら10数年前の団塊Jr.の世代の大学受験と重なる部分があるのではないのだろうか。

日本より先に海の向こうで発売されたときには「ONE L」という題がつけられ
どの業界にでもある、ペーペーを育てる教育期間の1年目で
この法律を生業にする業界においてもっとも厳しい時期である。

登場人物は魅力的で活動的であり、今まで優秀と呼ばれる人間ばかりで
高い成績で卒業したての名門大の法学部出身から、専門医学実習生をやめてきたものもいて
年齢もまちまち、そんな中では著者の経歴である大学講師もそう珍しいものではないのだろう。

そして、一癖も二癖もある講師陣たち。
教授の過酷な課題に授業と次々と学生たちに襲いかかり精神を疲弊させる。
寝る間を惜しんで勉強をする気の休まらない毎日で
今まで主席や次席という高い成績を収めていた集団の中毒的ともいえる競争に
ある者は涙をし、ある者は自殺未遂をする。
著者もまぎれもなくその流れに飲み込まれたといえるだろう。

このHLSでの成績により、より待遇のいい事務所に入ることができる可能性は高くなり
成績上位数名で構成される法律評論に入ればさらに道が開けるとなると
競争は熾烈となる。

アメリカではいかに「法律のプロ」を作る過程がよく理解できる。
日本でもロースクール1期生が新司法試験から司法修習生になり
新たな流れができようとしている。
この作品は20年以上前の作品でありながら、その色褪せを感じさせないすばらしい作品といえるだろう。


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at 14:23 | Category : 学習 , 書評 | Comments [2749] | TB [0]

2007年02月06日

「頭は3週間で良くなる!―世界の権威が実証した、“驚異”のノウハウ!」 - 持っている能力は普遍ではない

最近なのだが、主に能力開発、自己啓発などの本を読み漁るのにはまっているのですが
その中で出会ったのが

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○週間、○ヶ月で○○ができる、などといった本は信用できないと考えていたのだが
文庫サイズで値段が安かったので買ってみただけだったのだけどもいい意味で予想を裏切ってくれた。
知能指数というのは神様にあたえられ不変なものという既成概念はあてにならず。
トレーニング次第で変わることができる。
トレーニングも単純でいて、難しいことを要求されないので少しの忍耐力があれば3週間続きます。

脳力開発に興味がある方、自分に自信がない方、範囲は結構広いのかもしれません。

at 18:19 | Category : 書評 | Comments [1281] | TB [0]